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ボツリヌス毒素療法について

 1984年、熊本名産の「からしレンコン」をお土産に買って帰った方たちの11人が食中毒で亡くなるという事件が起こりました。原因はボツリヌス菌という細菌の毒素による呼吸筋麻痺でした。当時はお土産用のからしレンコンの中には真空パックしてあるものがありました。ボツリヌス菌は酸素がないところで繁殖するという性質があるため、真空パックによってかえってボツリヌス菌が増えて毒素がたくさん作られてしまったのが理由でした。

  • 顔面痙攣
    顔面痙攣
  • 上肢・下肢痙縮
    上肢・下肢痙縮

 このボツリヌス毒素が持つ筋肉をマヒさせるという作用を逆手にとって治療に使おうというのがボツリヌス毒素(ボトックス)療法です。現在、健康保険適応とされている疾患には眼瞼痙攣・片側顔面痙攣、斜視、痙性斜頸、2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足、上肢痙縮・下肢痙縮があります。収縮して硬くなってしまった筋肉にボツリヌス毒素を注射してほぐしてあげるというのが治療の原理です。

 本来毒である薬剤であるため、使用にあたってはそれぞれの疾患ごとに講習を受け認可を受けた登録医のみが注射できることになっています。上天草総合病院では現在3名の医師が登録医となっており、治療できる疾患は医師ごとに下記のようになっています。外来診療日がそれぞれ異なりますので、注射を希望される患者さんは担当医の診療日をご確認のうえ、受診されてください。なお、健康保険適応外となる顔のしわ取りやワキガの治療は行っておりません。

医師 治療できる疾患
竹下 哲二
眼科
  • 眼瞼痙攣・片側顔面痙攣
  • 斜視
古島 京佳
眼科
  • 眼瞼痙攣・片側顔面痙攣
  • 斜視
上原 悠輔
整形外科
  • 上肢痙縮・下肢痙縮
  • 痙性斜頸
外来診療
担当医師表
採用情報
上天草市立上天草総合病院