病院ブログ

2019年

ふれあい健康講座をりようしてみませんか!
2019.12.19
 12月3日、大矢野町の賤之女公民館にふれあい健康講座に行ってきました。
老人会の方々29名の参加がありました。「病気にならないようにするためには
どうすればいいのか」という内容で、メタボや肥満について、高血圧症や糖尿病について
などお話ししました。アルコールの一日許容量はビール500ml、焼酎0.5合強、
日本酒1合になりますが、「ちょっとすくなかなぁ」という声が聞かれ、アルコールの
分解時間について飲酒運転に関係するのでどれくらいで大丈夫なのかと心配する
声も聞かれました。
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 みなさん熱心に話を聞いておられて、区長さんから、「ここの地区ではみんな健康に
気を付けていて、たばこを吸う人はいないし、肥満の人も少ない」と教えていただきました。
賤之女地区の方々は健康意識が高く、地区全体で健康に気を付けておられることがわかりました。
 また当院への受診について、道のりは昔に比べて道路もきれいになり、時間も40分ほどで
行けるようになったというご意見をいただきましたが、やはり交通手段がなく通うのが
困難だというご意見もいただきました。ヘルスケアタウンミーティングのように、
当院の診療科やどんな職種がいるのかを紹介して、こんな症状があれば〇〇科に来てください、
とお知らせして、「それなら上天草に行こう」と思っていただけるように、
病院をPRしていくことが必要だと思いました。

                                  (T.H)
上天草地域におけるC型肝炎について
2019.12.12
C型肝炎は日本で推定150~200万人が持続感染状態であり、西日本に多く、
C型肝炎ウイルスに感染し治療せずに放置しておくと約70%は慢性肝炎→肝硬変→肝癌と
進行します。肝癌による死亡患者の約60%はC型肝炎が原因です。
 現在、C型肝炎に対する治療は経口薬の抗ウイルス薬の出現により多くの患者さんが
体内からウイルスが排除されることが可能となりました。
WHO(世界保健機構)を中心としてC型肝炎根絶に対する取り組みは世界レベルで
進んでいます。今回、上天草地域のC型肝炎の現状調査の結果また当院でのC型肝炎に
対する取り組みそして今後の課題について報告します。
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 上天草総合病院でのC型肝炎陽性者は、全国平均の約0.6%に比べ7%ととても高いことが
判明しました。党員の医療圏を地域別に調べてみると、9~14%とかなり高い感染率を示す
地域がありました。C型肝炎陽性者おい地区を年齢で見てみると、陽性者の年齢は
50~90歳代で多く認められました。同じ上天草地域の中でもC型肝炎陽性者の割合には
差があり、高感染地区が存在することが全体的にC型肝炎陽性者が多い結果の
原因となっています。
 昨年、肝臓専門医(外科大堂)が着任し当院でもC型肝炎治療が可能となりました。
現在、私たちは治療適応であるC型肝炎陽性者を正確に把握するための取り組みを進めています。
①血液検査でC型肝炎陽性であった場合、検査室より主治医及び肝臓専門医への報告を
行っています。主治医より患者さんへ結果説明を行い、専門医と相談し治療方針を
検討します。
②以前当院にてC型肝炎検査を受けて結果が陽性であった方の調査を行い、
精密検査が必要と考えられた場合は専門医より電話連絡にて受診を進める取り組みを
行っています。
③本年7月より肝疾患コーディネーターを中心に専門医と連携し肝炎対策チームを発足、
肝炎検査結果の告知文書管理や患者把握、治療者の経過追跡などを行っています。
肝疾患コーディネーターは、肝炎検査の受検を勧め、肝炎ウイルス陽性者への受診の助言、
治療導入・継続のための支援を行う役割を担っており、医療従事者を対象に
養成が行われています。現在熊本県463名、天草地区45名、当院には10名認定者がおり、
看護師、保健師、臨床検査技師、診療情報管理士、社会福祉士など多くの職種で
構成されています。今後、患者拾い上げから治療、そして李朝後の経過観察に対する
接触的なコーディネーターの介入が肝炎患者ひいては肝臓の減少への貢献が期待されて
います。
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 今後の課題は、主治医が肝炎検査結果を把握するためのシステム(アラートシステム)の
構築、院内全職員のC型肝炎に対する意識向上、さらなる肝疾患コーディネーター育成、
患者さんへの肝炎に関する知識の啓蒙です。
 昨年からC型肝炎患者に対する治療を始め27名が治療対象となり、74%に治療が終了し、
100%の患者さんがウイルスが体内から排除された状態となり治療が有効でした。
 上天草地域のC型肝炎患者数は以前より減少傾向ですが、いまだ全国と比べ未治療者が
多く存在しています。これからも、医師、コーディネーターを中心に上天草地域での
C型肝炎撲滅に取り組んでいきます。

全国国保地域医療学会に参加して
2019.11.07
 令和元年10月4日~5日にかけて第59回全国国保地域医療学会が長崎ブリックホールにて
開催されました。開会式に続いた表彰式では「地域包括医療・ケアの推進」の
功績が認められ、森こずえ看護部長が表彰されました。今学会は医師・看護師・リハビリ
だけでなく、放射線技師・臨床検査技師・介護福祉士・事務・調理師・薬剤師・
臨床工学士・ソーシャルワーカー・歯科衛生士など多職種による発表が特徴で、
どれも興味深いものばかりでした。特に地域医療に関連した内容の発表では、
医師不足をはじめ地域住民と患者の高齢化・退院の受け入れ先が不足している等、
残酷的に同様の問題点を抱えていました。そのような中でも地域包括ケアシステムの
実践や病院が生き残るために、各部門や病院での新たな取り組みにより活路を見出そうと
努力工夫している点が印象的でした。党員からは脇田富雄院長が口演発表、理学療法士
千原好博がポスター発表を行いました。いかにポスター発表の内容を簡潔に報告します。
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 体組成計からみた「がんリハ」と「心リハ」患者の特徴~骨格筋量とSPPBに着目して~
ヒトは加齢により骨格筋量が低下しますが、がんや心不全などの病気により更に
加速します。【評価】ポロスポーツ選手でも使用されているSECA mBCAという機器を
用い骨格筋量の評価を行いました。また、骨格筋量の低下や身体機能の低下で起こる
サルコペニアを検査するためにSPPB(Short Physical Performance Battery:
以下SPPB簡易身体能力バッテリー)を使用しました。
SPPBはバランス・4m歩行、椅子立ち上がりテストの3項目をそれぞれ0~4点で
点数をつけ12点満点で評価します。SPPBでサルコペニアのカットオフ値は8点と
されています。【結果】体組成計での骨格筋評価では「がんリハ」患者では
4/5名で少ない、「心リハ」患者では5/5名で少ないという結果となりました。
SPPBは「がんリハ」患者では2/5名、「心リハ」患者では4/5名がカットオフ値を
下回る結果となりました。特に「心リハ」患者でのSPPBはバランスと
椅子立ち上がりテストの点数が低く、ADL低下している患者が多い傾向でした。
サルコペニアを有すると要介護状態になりやすい”フレイル・サルコペニアサイクル”
という身体機能低下の悪循環に陥りやすくなります。(図1)
このような悪循環を断ち身体機能を維持するためには、不要な安静臥床を減らし適切な
栄養摂取、筋量維持向上のためのレジスタンストレーニングが重要となります。
フレイル・サルコペニアサイクル
 学会終了後に長崎を散策しました。出島は鎖国下の江戸時代において日本で唯一交易が
認められた場所です。近代医学の父シーボルトによって西洋医学が始まった出島では、
歴史の流れと医療の日進月歩を感じました。ほかにも長崎は香港・マカオに並び
世界三大夜景の一つに認定されています。教会や歴史的建造物も多く、長崎は異国情緒
あふれる素敵な街でした。大人の秋冬旅行に長崎はいかがでしょうか。

                              (Y.T)

外国人技能実習生受け入れ準備を開始しました
2019.09.19
 今年の夏は、8月中旬からはほとんど晴天には恵まれず、子供たちの待ちわびた
龍ヶ岳、姫戸の夏祭りは残念ながら花火大会のみとなってしまいました。
当院のダニ博士である和田診療部長によれば、この季節、降雨のあとの
すっきり晴天時にマダニ咬傷が頻発するそうですのでご注意ください。
さて、マダニの運び屋であるイノシシが増え島内を闊歩する一方で、
熊本県、中でも天草の人口減少は顕著です。特に生産年齢人口の減少は
著しいものがあり、そのため当院で必要な職員を募集しても応募がないと
いう事態が発生しつつあります。
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 そこでこの度、介護員不足が顕在化しつつある介護老人保健施設「きららの里」に
おける外国人技能実習生受け入れ準備のために、外国人技能実習機構認定の
受け入れ管理団体である日和協同組合のエリアマネージャーさんと、県内6つの
介護施設長計8名で、8月29日から9月1日まで、ベトナム国内に8つある
送り出し機関(教育機関)のうちハノイにあるJHLグループと
CEOサービス開発の2訓練施設を視察してきました。日本語教育と日本式の
介護の実習を行う寮付きのいわゆる専門学校であり、既婚・未婚は問わず、
年齢は10代から30代で、実質、施設で取得できる資格は日本語検定N4
(日常会話初級)のみです。日本で介護員として3年間働く間に1年度に
N3(日常会話上級)、2年度に介護技能検定3級取得が義務づけられています。
さらに3年後終了時に任意の介護技能検定2級を取得すれば、その後も日本国内
に定住することも可能であるというシステムです。ただしこれらの検定に
都度合格することが国内残留に必須であるかどうかは未確定だそうです。
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 同行したある介護施設長の面接に立ち会いましたが、3名はみな既婚者で、
ステレオタイプに「日本が大好きです」、「老人が好きです」とアピールしつつ、
目的はと聞くと「3年間で300万円貯金して家族で住める家を建てたいです」が
本音で、愛する家族のため、学費を供出してくれた所属する集落のため
3年間は実を捧げる覚悟のようです。正直、県内の外国人労働者失踪率
13%との先日の新聞報道に身構えていたのですが、杞憂におわりそうです。
 各介護施設長の皆さんは、各々1~2名の実習生を迎え入れる契約を済まされ
帰国の途につかれました。契約完了した実習候補生は、このあとベトナムで
N4取得を目指して日本語学習にさらに励み、ベトナムでの諸手続を終えて
来日、その後日本国内の教育機関で介護導入、法的保護、生活一般の講習を
受講して、実際に現場で働きだすのは1年後となります。
 アマテラス大御神の御代から単一民族国家と信じて疑わず、移民はできるだけ
避けたいが将来楽650万人の外国人労働者を迎え入れる必要がある日本と、
日本の良質の介護・縫製技術・農業技術などのノウハウを短期間で習得したい
新興国ベトナム、両者Win-Winの関係がこの事業の本質のようです。
 というわけで、当院としても早速来年度中にもベトナムからの技能実習生を
受け入れられるよう準備をしたいと考えています。
天草広域連合消防との合同救急研修会
2019.09.19
 毎年、救急医療週間に行われている天草広域連合消防との合同救急研修会が、
今年も9月6日(金)17時30分より上天草総合病院にて開催されました。
年々参加人数が増え、今年は90名の参加がありました。消防からは、
東分署・松島分署・北分署より、模擬救急患者の搬送訓練が実施されました。
出動要請後、現場での患者さんとの関わりや、点滴ライン確保、気管内挿管、
薬剤投与などの特定行為を手際よく行う姿、力強い胸骨圧迫などを見学させて
頂きました。どのケースも臨場感あふれる熱演で、とてもかっこよく、頼りになる
存在であることを感じ、心強く思いました。
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 消防から心筋梗塞疑い患者さんの模擬搬送も実演されたので、関連して病院からは、
不整脈についてのお話と心筋梗塞疑いの患者さんが、病院搬送後にどのような
検査・処置を行い心臓カテーテル治療へ進むのかをお話しさせて頂きました。
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 それぞれの活動について知ることでお互いを理解し、ひいては、消防・病院間の
連携や「救命の輪」に繋がっていくことを改めて実感し、学びの多い1日となりました。
研修会終了後は親睦会もあり、おいしく楽しい時間を過ごさせて頂きました。
なかなか消防の方とのゆっくりお話する機会はありませんが、顔の見える
関係って素敵ですね。年1回ではありますが、これからも是非続けてほしいと思います。
参加された皆様、お疲れ様でした。
外来診療
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上天草市立上天草総合病院